リフォーム・補修保全工事
集合住宅<事業物件>の価値を保ち、
より高めるリフォーム工事の取組みを、
具体的にご覧いただきます。
私たちは、調査・診断から補修、改良、リデザイン(企画/設計/施工)までワンストップで担うセクションです。(ですが、これらの活動に加え”空室対策”に至る一連の活動まで切れ目なく取り組んでいます...)
ところで一口に「リフォーム」と言ってもかなり漠然としたイメージです。
また一般の住宅との違いもあります。
実例画像を中心にご覧いただきながら、ご理解いただけるよう進めてまいります。
リフォームは大きく分ければ「外装」と「内装」ですが、
ここでは外装の進め方をご案内いたします。
1. スタート 調査・診断
上の画像は「施工前⇒完成予想図⇒完工図」の順に並べたものです。
「『ビフォーアフター』+完成予想パース」の3点セットで、
これからご覧いただくテーマの最終形です。
でも、これだけでは、「リフォーム=塗装工事」の”3点セット”に見えなくもありません。
ところが、施工前の現況を詳しく見ると(内部の劣化状況はほとんど見えませんが)、
かなり傷んでいるケースがほとんどです。
「経年劣化」の他にも様々な原因が絡み、様々な”病気”が潜んでいます。
― 人におきる症状と変わらない ―
当社のベテラン技術者はそう語っています。
ですので、初めの大切な仕事として、調査・診断(インセプションともいいます)から取り掛かり、
お客様に、その結果をプレゼンテーション致します。そして、工事プロセスがスタートします。
では、初めから下記のアパート(築28年の現況=当社にてリフォーム:2020年5月)をケースにご紹介いたします。
※掲載画像の建物は全て「モニター様」として掲載のお許しをいただいております。
2. 調査・診断プレゼン
・・・現況の要点と、それらの説明資料です。
3. 仕様・予算
・・・お客様に詳しくご説明させていただきます。
次に、そのプレテ(印刷物やモニター画面やタブレットなど)をご覧いただきながら、
予算もご検討いただきます。
提出資料は、プレゼン紙、技術資料、写真図版を綴じた冊子です。
工事内訳や仕様
わかりやすく具体的、が特長です。
専門用語や技術的な内訳文書では理解し辛いものです。
できるだけ一般用語や事例画像を使うように心がけています。
4. 施工・進捗管理
・・・始める前に、近隣・入居の皆様に「工事のご案内」の訪問や配布。
オーナー様には(下の画像↓)リメイク・プランをご提案します。
鋼板葺き屋根、鉄製階段や通路・モルタル床など、
防錆・防水・撥水がメインテーマ。
さらに、それに相応しいイメージチェンジも。
<画像:上> 屋根=浮いた板金釘の補強や塗装です。
高圧洗浄、雪止金物の防錆塗、下塗後のシリコン系上塗の工程写真です。
<画像:下> 階段=錆び付いた鉄部塗装と踏段の改良です。
ケレン(錆びをしっかり落し次工程の下地づくり)⇒防錆/上塗り⇒
踏板に防滑シート貼り/ノンスリップ金物の取付です。
5. 完 工
・・・現況と完工画像を較べてみてください。
見較べて見ていかがですか?
工事前(現況)と完工後の、ピックアップもご覧ください。
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次は、
バルコニー交換など
改良工法の数々です。
木造バルコニーを支える木軸部分が腐食し脱落の心配が増したため、当該部位と周辺を掻き出して補修すると共に、腐食の心配がないアルミ製のそれらと交換する改良が中心です。
併せて、鋼板屋根、サイディング外壁と目地、そして鉄骨階段など、一通りの経年劣化が進んでいましたので、一括してのリフォームになりました。
工事をまとめて行うメリットですが、足場架設や撤去・交換などの運搬廃棄といった費用が分散できる点です。これらが工事全体に占める費用割合はかなり大きなものです。
<上:改良後に撮影した画像に背景を合成しています>
6. 改良工事の事例
・・・バルコニー構造木軸の腐食により脱落の心配が・・・
(果たして、上のイメージのように甦るのでしょうか??)
バルコニー周りの改良から進めます。
上の画像では、手摺壁の取付部分が「単に外れた・・・」ように見えますが、壁材から順に撤去するにつれ、
腐食のはげしさや拡がりの大きさが目に入ってきます。
下は、それらの様子と、補修や改良(アルミ製に交換)のプロセスです。
もちろん、1.スタート 調査診断~プレゼン、仕様・見積、
完工までのしくみは同じです。
カラープランの中から、左のNo.1に決めていただきました。
(一般的に4点のデザインを提案致しますが、決まらない場合は第二次、第三次も・・・)
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それらの『ビフォー・アフター』もご覧ください。
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7. 改良メインのリフォーム
・・・外装リフォーム・アラカルト・・・
<画像:上3点>
スレート(一般には「コロニアル」とも言う)屋根の防錆や撥水塗装、
外壁の部分交換、コーキング打替え、階段・通路の防錆、
ポリカーボネート(半透明樹脂)通路屋根の交換や床の防滑シート改良、
そして、思い切ったアンサンブルカラーの採用でフィニッシュ!
<画像:下>
全体的な劣化ですが、スレート屋根材の傷みが烈しく、
鋼板葺き『カバー構法』を採用し、
外装のツートンカラーも抜群にフィット!
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スレート屋根材の老朽化と一部の脱落。
『カバー構法』で再生!
カバー構法(施工法)とは、現況にルーフィング(防水膜材)を重ね張りし、
腐食に強い「SGL」鋼板で覆う施工法を言い、
塗装レベルで保全できない劣化がある場合に採用致します。
また、「アスベスト含有材」の飛散防止を目的に採用する場合があります。
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壁の汚染を抑制する『通気改良工法』
階段壁や手摺壁などにみられる腐食やカビ汚染!
内部に通気空間がないため、蒸れ・結露・凍害起因の傷みです。
画像は、手摺壁上端に沿って「通気器具」を取付した様子です。
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改良施工
手摺壁に沿って上下に取り付けられた器具(白のタテに細かくスリットが入った器具)。
下端から吸気された空気が上端に排気される⇒通気ルートです。
この方法により、蒸れや結露・凍害から壁の傷みを抑制します。
画像は、手摺壁上端に沿って「通気器具」を取付した様子です。
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改良工法は、大小各種・・・
下の左が「通気改良」のしくみを図説したものです。
右の図は、1階と2階の中間にアクセントとしてよく使われる「幕板」で、
その周りによく起きる損壊を防ぐ改良方法の図解です。
原因は、幕板上端部と外壁との隙間から雨水が入り込むことで起きる、
いわゆる「雨仕舞」の良くないケースです。
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そのビフォーアフターです。
下の左が、腐食した現況の幕板。
右が、腐食した幕板を交換し雨水の侵入を防ぐ「水切り」を取り付け、
新たなカラーで保全塗装した画像。
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建物周りの「外構」でも改良があります。
タテ樋の排水路がない。駐車場の水勾配が不十分で・・・
雨の日は"池ができてしまう”
そんなときの改良法=浸透枡です。
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左上は、”池”になってしまう場合の浸透枡の図説。
右は、タテ樋の雨水桝も排水路がない場合に新設した浸透枡です。
要するに、底のない桝を埋設し、そこから地下に排水させるしくみです。
もちろん、浸透スピードを超える雨量では溢れることになりますが、
通常の雨量では貯水量と地下への浸透力により、
”池”になるようなことはありません。
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いかがでしたか?
外装リフォームの具体例をダイジェストでご覧いただきました。
このコーナーの始めに、『人に起きる症状と変わらない』と、
当社のベテラン技術者のことばを申し上げましたが、
そのことが少しでもご理解いただけたら、とても嬉しい限りです。
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外装リフォームといえば、塗替工事が一般的にイメージされますが、
お気づきでしょうか? 本当は見える部分ではなく、
見ることが難しい部分に治すべき症状が潜んでいます。
それはアパート、マンション、マイホーム・・・すべてに共通の”病”の姿です。
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なんだろう? なんとなく気になる?! そんな感じ方がありましたら、
ご相談いただければ、さらに嬉しい限りです。
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